平成16年に結成。ギターの演奏を楽しみ技量の向上と会員相互の親睦を図り、音楽を通して地域社会に貢献することを目的に活動を行っています。
公民館名 浦添市立中央公民館
サークル名 ソニードギター合奏団
代表者名 玉城達也
活動人員 12〜13名
設立年月日 平成16年(2004年)
活動日・時間日 火・19:00~21:00
サークルの活動内容を教えてください。
元々は、石嶺、若狭、宜野湾などあちこちで公民館のギターサークル活動をしているメンバーが、ステップアップしたメンバーを集めて「アーマン」を2003年に立ち上げたのがきっかけです。牧野哲仁さん(若狭でも指導している方)が指導をしていました。
翌年2004年に「ソニードギター合奏団」を設立したんです。牧野さんは多忙なため、自主運営するようになって、ちょうど私が入会した時期、2008年頃はメンバーも少なくなってきたんですが、定期演奏会を積極的に開いて入会者を増やし、2010年頃にはだんだんと安定してきて20名くらいで活動をしていました。
現在は総勢25名くらいですかね。親の介護であったり体調不良のため、お休みしたりする人が毎年出てきますが、20名前後で安定して活動しています。
サークルの魅力は?
ギターは結構楽器の中では難しいんですよ。でも、ギターはいろんな楽しみ方がありますからね。純粋にクラシックの世界、フラメンコや踊りの世界、フォークソングや懐メロなどいろんな楽しみ方があるのが魅力です。
サークルの雰囲気をお教え下さい
ギターをやりたい人、好きな人たちが参加しています。誰でも歓迎です。学生時代にギターを演奏していた人もいれば、退職後に始めた人など、技量は様々です。3ヶ月に1回のファミリーコンサート(ファミコン)を年4回、クリスマスコンサートなど、定期的に演奏会を開いています。
人前で演奏することで、度胸も技量も上達もするし、良い経験になりますね。
クラシックから沖縄民謡、歌謡曲まで幅広いジャンルの曲を練習しています。
曲の練習を中心に、パートリーダーを中心に練習しています。その後、全体で曲の仕上げをしていくという流れです。
曲によって違いますが、1曲3か月、難しい曲では半年くらいかかります。あまりに難しい場合は、曲を少しアレンジすることもあります。
曲を完成させて、みんなで合奏できることが充実感やレベルアップにつながるので、全体のバランスをみて調整することが重要です。
私が入会した当初に比べると、(入会時を例えば0歳とした場合)現在のソニードは成人していると言えるくらい、団体のレベルが上がっています。
当初は初心者レベルだったんですよ。研修室で6~7名で家族・知人を呼んで成果報告的に演奏をするくらいだったんですが、現在ではパレット久茂地のホール(400名)で演奏会を開くと、満員になるほどお客さんが来ますよ。
てだこホールでも演奏会をしたことがあるんですが、人が入りきらなかったんです。
定期演奏会は無料です。お客さんの中には入場料をとってもいいのではという意見もいただきますが、お金をもらうということは、それなりにレベルを上げていかなくてはいけないので。ソニードでは、ギターを楽しく続けることが一番の目的なので、的演奏会にいらっしゃるお客さんにもギターの楽しさを感じてもらいたいと思っています。
なので、月によって変わりますが、1,000~2,000円の会費を集めて、演奏会の運営費や合宿代などに充てています。
サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか
メンバーは60代~80代です。最年長は83歳の男性です。すごいですよね、すごく頑張っていますよ。
サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)
浦添市、那覇市、沖縄市、豊見城、糸満、各方面から来ています。現在でも掛け持ちをしながら参加している人もいます。男女比率は半々です。海外出身(ハンガリー出身)の方も一人います。奥さんが県外の人で、沖縄に移住してきたんです。学生時代、ギターを弾いていたそうで、ソニードのメンバーの紹介で入会し、一生懸命頑張っています。現在、「美しき青きドナウ」というハンガリーの歌を練習中です。
メンバーとはサークル外での交流もありますか?
毎月初めの回には、交流会を開催しています。そこでは、日常のいろいろなことをお話しして、コミュニケーションを深める場になっています。今日(取材当日)は、年内最後の活動日なので、練習後には忘年会があるんですよ。
基本はギターのみなので、他のサークルとのコラボは特にありません。コラボをするとなると、選曲だったり練習だったりと時間を取られてしまうので。2月の『公民館まつり』の時期は、自分たちの定期演奏会の練習で手がいっぱいで、コラボまでは手が出せない状況です。
今後の活動について
ギター好きはたくさんいます。ギターアンサンブルのメンバーだけでもたくさんいます。沖縄のギター人口は結構多いですが、ずっと続けているかというと辞めている人も多いと思います。そういう人たちのために、定期演奏会などを開くことで、ギターをまた弾き始める人が増えてほしいと思っています。
また、ソニード自体が中身の濃い演奏ができるようにもっとレベルアップしていけるように、今後も続けていきたいですね。いい音楽をギターで演奏したいというのは、メンバー共通の目標だと思うので、その目標をひとつひとつ叶えていきたいです。
演奏会だけでなく、福祉施設などでの演奏会も行っていきたいです。ただ、団体で人数が多いので、日程を調整するのが難しいんです。それでも、年に1回でも2回でも社会貢献できるようにしたいです。
海外演奏もやりたいけれど、なかなかそこは旅費のことも考えると難しいですね。全国のサークルのアンサンブルまつりも年に何回かはあるんですが、やはり県外・海外で演奏はちょっと難しいとは思います。
取材者名 玉城達也(代表)
活動歴 7年目
サークルに参加したきっかけをお教えください
琉大の学生時代に『琉大ギターアンサンブル』に所属していました。70年代はギターがブームでしたよ。『琉大ギターアンサンブル』で名護、那覇、中部、宮古、八重山などで演奏会をしたこともありますよ。
琉大英文学部卒業後、北山高校に就職してからは演奏会で弾き機会は減りましたが、ギター指導をしていました。また、高校のギターコンクールなどで審査員などもしていました。そういう風に就職後もずっとギターに関わっていました。その頃、北部ではオリオンビールや市役所、病院、会社など各職場にギターサークルが必ずあって、演奏会も開催されていたほど、ギターは熱かったんです。
ソニードには、退職して1 年後(2008年)入会しました。
<ふぇーぬかじーギターカルテットの活動>
ソニードの別部隊として、『ふぇーぬかじギターカルテッド』があって、4名で構成しています。ソニードのメンバーでもあり、別日に練習をしています。このメンバーで、チャリティーコンサートを開催したり、学校ボランティア支援の一環で南星中学校(南風原)で音楽の授業としてギターの指導も行っています。ソニードでは、グループ練習のときのリード役を担っています。『ふぇーぬかじギターカルテッド』の平均年齢は65歳くらいですかね。
<存続の危機を乗り越えて>
ソニードは、私が入ったときはメンバーが10名くらいで、半年したら一人辞め、二人辞めして、男性は私1人、女性が5名くらいまで減ってしまった時期があります。ギターが好きなので、サークルがなくても一人でもギターは続けられはしますが、せっかくやってきたので、ここで解散してしまうのはもったいないと思い、積極的に演奏会を開くようになりました。その演奏会を聞きに来た人が入会してくれて、少しずつ今の人数まで増えていきました。地道に演奏会を続けて、知ってもらうことが大切だと感じましたね。
サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください
<ギターを弾く楽しさ>
曲はクラシック、ラテン、沖縄民謡、歌謡曲などいろんなジャンルを選曲して、ギターを弾いて楽しむことを大切にしています。合奏の良さは、合宿をやったりして、みんなで一つの作品を仕上げるところだと思います。そこに達成感を得られるところが面白いです。歳を重ねても目標を持って成し遂げるということは、人間の基本的な欲求の一つなのだと思います。演奏会が近い時期には、日曜日にまとめて練習したりすることもありますよ。演奏会では舞台で人に聴いてもらうという機会になるので、そこでいろいろな反省も出てきて、次の目標が出てきます。あまりに曲が優しすぎると面白くない、逆に難しすぎると弾くのに大変なので、選曲はメンバーのレベルによって考えています。練習では、メンバーを3~4つくらいのグループに分け、個人のレベルにあった配置を心がけています。
沖縄のギター合奏団は10数団体あるが、ソニードは人数も多く結構レベルが高いと思います。初心者の方が来た場合は、初心者コースがあります。そこでは、牧野さんが指導しているんです。楽しくレベルアップしていくことを目的にしているので、レベルにあわせてコースを選んでもらってギター人口を増やしていきたいです。
<継続の秘訣>
個人的にはギターが好きなので続けてこれたのだと思います。独奏の練習もしていますが、サークルは合奏なので、ギターを通して人と知り合い、サークルを通して人と人とのコミュニケーションも深めることができる。交流会でもお酒をのみながらもギターの話をしたり、歳を重ねていろいろな日常のことをあれこれお話しできるのも楽しいです
サークルでの目標やモットーにしていること
とにかく楽しくギターを弾くことです。良い音楽を演奏することですね。メンバー共通のモットーだと思います。
沖縄のギター人口は実は結構多いと思いますよ。琉大を卒業時(1970年前後くらい)は、高校生のギターコンクールというのがあったんです。首里、那覇、小禄、真和志、普天間、前原、名護、知念など大きな学校では必ずギタークラブがありました。それぞれ40~50名くらいのメンバーがいたほどです。ただ、就職などの理由でギターを辞めてしまう人も多いと思います。でも、ギターはいつからでも始められるんです。
公民館を利用して便利な所
活動拠点なので、必要な場所ですね。
公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。
現在、浦添中央公民館はサークル数が100超えるので、各サークルは週1回の2時間と限定されている。可能であれば、日曜などにまとまった時間練習できるようになるとありがたいではあるが、今は合宿で外の施設を利用することで気分転換にもなるので、現状に不満は特にないです。
取材日:2015年12月22日担当:鳥越一枝