那覇中央公民館
『那覇青少年プログラム』

小学生から高校生までのメンバーでダンスや演劇などの舞台活動をおこなっています。年に二回、現代版組踊と舞踊劇の発表では、演出などの舞台構成、練習メニューなど全てこどもたちが自主的に行っています。

公民館名 那覇中央公民館
サークル名 那覇青少年プログラム
代表者名 玉城祐子(たまきゆうこ)
活動人員 45名
設立年月日 平成16年(2004年)
活動日・時間 18:00〜21:00

サークルの活動内容を教えてください。

<子どもの居場所づくりから、本格的な舞台制作>
那覇青少年舞台プログラムは那覇市芸術監督に就任した平田さんが立ち上げた事業。現在は保護者を中心に自主運営を行っています。小学五年生から高校3年生の児童生徒が参加しています。

ワークッショップから立ち上がったプログラムは、こどもの居場所づくりからのスタートでした。一緒に何かを作っていく場です。その手段として舞台制作と成果発表の舞台を年に2回行います。

誰でもサークルに参加できます。参加は自由ですが、役をきめるためのオーディションなどはあります。最初はしゃべれなくても自分なりにアピールして、子どもたちは逞しくなっていきます。

舞台という目標があります。夏は8、9月に平和をテーマにした内容の舞台発表を、2、3月に卒業公演の「伝信録」で、那覇の偉人たちをクローズアップしたものです。那覇でうまれた先人たちの物語。地域からの発信という内容になっています。

お祭り等のイベントでは踊りをつらねてみたりして、そのときどきのプログラム時間にあわせて内容をきめます。10分からできます。本公演は2時間半です。募集は年中やっているのですが、いつでも稽古を見学してもらっています。

4月にオリエンテーションをやるので、その時に保護者さんに来ていただいています。だいたいは舞台をみたとか、友達に誘われたというかんじで応募してきます。

<サークルの構成>
サークルは全体を統括するリーダーとサブリーダーがいます。高校生にリーダーズという組織があり、バンドパート、女子アンサンブル、男子アンサンブルの3チームにもそれぞれにリーダーとサブリーダーがいます。稽古が終わったら、リーダーズですぐに反省会を持ちます。全体統括は高校生がやっていますが、各パートには中学生のリーダーを配置しています。
子どもたちがリーダーを選んでいます。通常はOBであるインストラクターが教えていて彼らが舞台演出もやっています。

同じ形態のサークルが勝連のあまわり浪漫の会は16年目になり、那覇は11年目です。北山の風、久米島などグループが各地にあります。立ち上げから数年は、あまわりの会からOBの応援があったのですが、那覇もOBが成長してきて3〜4年前からは那覇メンバーだけで作り上げています。
演出構成については、子どもたちが舞台を作ります。去年の先輩はこう演じたけど、自分はこうしたい、こういうふうに演出したいと自分の思いが芽生えていきます。脚本は一本づつあり、毎年同じ本ですが、そのときどきの出演者によって演出が変わります。

サークルの魅力は?

<縦のつながりが、絆を深める>
子どもたちの笑顔と元気が魅力です。学校だと同じ学年の横繋がりだけですが、サークルでは縦の繋がりがうまれます。兄弟みたいなかんじです。社会の中で薄れてきている、上下の繋がりがもてます。OBや先輩からのアドバイスもあったり、勉強も教えてもらっている。学校の悩みも抱えていても、熱中するものをもてたり、舞台づくりをしてわすれたりと。自然に遊んで、ビッシと怒られるメリハリをもった活動になっていて、こどもたちは自分の居場所が持てるのだと思います。大人はその成長がわかるので、うれしいですし、元気をもらっています。

サークルの雰囲気をお教え下さい

<練習の雰囲気づくりをリードする、高校生の存在>
雰囲気は和気あいあいで、元気です。今年は入った小5の子は、高1の先輩が面倒をみています。中学生は年齢が近すぎて小学生を相手にできないんですけど、高校生くらいになると接することができるんです。子どもは集中力がきれるとあばれますが、大人のいうことはきかないのに高校生のお兄ちゃんたちが注意するということをききます。

サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか

<中学生中心のメンバー構成。中高の連携が肝>
現在の活動人数は約45名。9つの高校、9つの中学、3つの小学校の小学五年生から高校3年生の児童生徒が参加しています。メンバーは中学生が多いです。次に高校生。小学生は4人です。

参加者は、活発な子どもというよりも、引っ込み思案の子どもや、学校にいけていない子もいます。学校にはいけなくても、ここにはくる。居場所をみつけることができるんでしょう。
しかし、学校にいかないで好きなことだけはできないよと、学校にも行くように努力してもらうようにしています。稽古のときに宿題やテスト勉強もしています。プログラムの活動は高校3年で終了になります。卒業後はOBになりインストラクター的な役割で参加します。現在OBのインストラクターは3人。

サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)

最初は那覇市の事業でしたから、那覇市の子どもたちだけでしたが、自主運営になった現在は少し裾野を広げて、豊見城、浦添な近隣地域へと拡大しています。保護者が那覇で働いている場合もありますから、限定でせず他地域メンバーも受けいれています。やりたいというメンバーは基本的に受け入れています。那覇中央公民館を定期的につかっています。夜18:00〜21:00で稽古をしています。木曜は不定期ですが、繁多川公民館を使用しています。上ノ山、天妃、首里、寄宮などいろいろな地域のメンバーです。那覇以外も豊見城や浦添とか近郊からきます。高校生からは地域ということではなくなりますね。

メンバーとはサークル外での交流もありますか?

年に一度はペンションでの合宿もやっています。メンバーが長い時間を過ごすことで、お互いを知ることができます。メンバー同志がかかわりあって好きな演劇のことなどを思いっきり話す時間です。稽古の時間は稽古だけでおわってしまうので、合宿はいい交流になっています。保護者は面倒をみるため数名が参加します。

自主公演以外に対馬丸祈念館の合唱団とは合同でイベントなどの参加もあります。公民館、老人ホームなどのお誕生会によばれたり、児童館にも行きます。

地域のおまつりには常に参加しています。そのときどきのプログラム時間にあわせて内容をきめます。お祭り等のイベントは踊りをつらねて10分から構成できます。本公演は2時間半です。

<舞台発表の前に戦争の実態を学ぶことで平和学習も>
沖縄の歴史の平和・戦争を考える平和学習をいっしょにやっています
はじめての子どもと、何年もやっている子どもでは目線もちがうので、それぞれに学びがあります。親も学ぶことがあります。興味をもって学びはじめることもあります。こどもたちが自分たちで、どこにいって学ぶかを決めます。
今年はひめゆりの塔へいきました。対馬丸祈念館では慰霊の日に毎年イベントをやっています。展示会や美術館に足を運んで見学した後に稽古にいくとか工夫して学んでいます。それは、きっかけづくりです。いいとか悪いとか評価はせずに、戦争の実態、事実があったことを受け止めて、ここからどう発信するかを考えていけるか。大人が自分の思いを押し付けないということを心がけています。
どこへいくのかは、子どもたちと相談して決めています。夏の合宿で親睦会をします。その時に今年はどうするか相談します。日々の練習はこどもたち自身が自分たちで先輩と相談して稽古の内容をきめていきます。

今後の活動について

<情報発信に力を入れたい>
これまでに舞台発表をしているのですが、まだまだ存在が知られていないです。今までのことをやりつつ、情報発信に力をいれていきたいです。

取材者名 玉城祐子さん(那覇青少年プログラム代表)
活動歴  5年

サークルに参加したきっかけをお教えください

<舞台が好き!子どもと一緒に参加>
立ち上げメンバーではありませんが、5年前に自身の子どもが入ったことをきっかけにサークルに携わるするようになりました。舞台が好きで、学生時代は演劇部に所属していたこともあり、子どもの稽古や舞台を見にいくのが楽しみでした。当番で子どもを見守るうちに、関わるようになりました。4人の子どもたちが参加しているがふたりはOBです。前会長さんが仕事の都合で離島に移動していくということになり、次を託されました。

サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください

<観客の声が励み。親目線で見守る>
続けられるのは、子どもたちの姿があるからです。こどもたちの舞台をみたいという気持ちになってくれる観客もいる。自分も学ぼうとおもったとか、発信していこうとおもいますという観客の声に続けて行く勇気をもらっています。こどもたちが舞台をやり続けること。それは関わる自分たちのたのしみです。親の気持ちでつづけているともいえますね。

サークルでの目標やモットーにしていること

<合い言葉は、一生懸命はかっこいい!>
子どもたちのキャッチコピーは「一生懸命はかっこいい」ということです。格好良くなろうではなくひとりひとりが一生懸命になること。不格好でもいい、一生懸命に取り組むことが格好いいということです。上手じゃなきゃいけないとか、そういう価値観を崩すことからやっています。

公民館を利用して便利な所

公民館は地域にあるので、子どもが移動しやすいですし、親が安心して行かせられる場所です。子どもの団体は、公民館活動で申請すると無料で使わせていただいています。とても幸せです。ありがたいです。自主運営なので、公演のときの広告料や売上が1年の活動資金になります。
月1000円の会費ですが、交通費とかは個人負担です。場所に来るだけでもバス賃とか飲み物とかおこづかいを使います。おこずかいでパン買ったりしてたべていますから。会場費のことは助かっています。

公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。

(特になし)

取材日:2015年12月18日担当:鳥越一枝