第7回 アンリ・ルソーの作品を見る!

2021.10.21(水)

本日のアート同好会は、「アンリ・ルソー」について話しました。

ルソーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの画家です。
裕福ではない家庭に生まれ、税関に勤め結婚するが妻子に先立たれ悲惨な青春時代を過ごし、絵のまったくの素人だったけど40歳を超えて絵を描き始めたそうです。

ルソーの絵の特徴は、“縮尺が変で端的に言えば、絵が下手くそ。”と耳を疑うような顧問の発言にドキッとしました。

そんなルソーですが、この稚拙で珍妙な絵をパリのアンデパンダン展(沖縄でいう沖展のようなもの)に毎年作品を出展して、いろんな人に茶化されていたそうですが、ピカソなどの著名な画家はかなり評価していたそうです。
西洋絵画では、絵が上手いとか下手はどのような基準があるのかというと、構図がしっかりしていて、消失点などがあったり、遠近法ができていたりしていることがポイントで、今日もいまだにその基準で絵が上手いか下手かを見ている傾向があるそうです。

ルソーは、あるモチーフにそって何かを描くよりも見たこともないけどどっかで出会っているような光景を描きたかった。つまり、現実の何かをつくっていたわけではなくて、現実をつくりだそうとしていたようです。例外的に変な画家が登場し、亡くなった後に評価され、絵の歴史の中で重要な存在とのこと。

当時は、とても嘲笑されたけど、時代を遡れば現実世界で起こっていない龍などファンタジーの絵画は、もっと古くから描かれていたことを考えると、「絵がうまい」と定義づけられている歴史は短く、彼の作品を見ると歴史ってもっとダイナミック!ということに気づく。つまり、流行や最先端の価値観はすごく曖昧なことが多いということをルソーの絵をみると気づかされるということを学びました。

「だからといって、 下手でもいいから自由に絵で表現しよう!ということをいいたいのではなくて、絵画ってひとつの時代の断面を切り取ればとても多様。自分の価値観はとてもちっぽけなので、多様な価値観があることに気づき視野をもっと広げてみよう。」ということも念押しでご教授いただきました。

 

部員の感想はこちら↓

前回(今回?)のテーマがアンリ・ルソーと いうことで、名前を聞いたときは「ん?」となりつつ教科書にいたなぁ。くらいのノリで聞いていましたが、結局のところルソーって歴史的に重要な人物なんだ、という。 ピカソもそうですけど上手い下手の前に最終的には歴史に残る作品になるのかと、子どもですけどし みじみ感じていました笑 絵を描く身からすると、確かに一見ルソーの絵って下手に見えますけれど、よくよく見ると普通に上手 いんですよね。遠近法はぐちゃぐちゃだったりしますけど陰影は出来てるし動植物も違和感はそこまで ないという。
40そこらでパッと始めたにしてはすごく上手いなぁと上から目線で思っていましたね。

 

次回のテーマは、彫刻。
現在県内で個展を開催している能勢孝二郎(のせ・こうじろう)さんの作品を見ていきます。
お楽しみに〜。

主催:NPO法人地域サポートわかさ
「アーティストと開発する社会教育プログラム」
支援:沖縄県、公益財団法人沖縄県文化振興会
「令和3年度沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業」