今月の『観る部』は、沖縄出身のアーティスト真喜志 勉さんの作品を通して、芸術作品のオリジナリティって何だ?という事を学びました。
真喜志 勉(1941-2015)さんは「TOM MAX」の愛称で知られる戦後沖縄の前衛美術の先駆者です。
下の作品は、アンディ・ウォーホールの『エルヴィス』を元に作られたものです。真似とかパクリとかではなく、元にはしていますが、これが真喜志さんの作品です。
また、ウォーホール自身もエルヴィス・プレスリーの写真を元に作っています。(他にもキャンベルスープやマリリンモンローなど有名な作品があります。)
そこで、もともとの「オリジナル」は?作品にした時の「オリジナリティ」とは?疑問が出てきます。
現代で絵を描くとき、自分だけのオリジナルの絵って描けるのかな。様々な絵画が描き尽くされ、オリジナルって出来るのかなって。
(大丈夫!美術の歴史の中では常に先人たちが作ったものの上に新しいものが生まれていくから。)
最近では AI が絵を描く時代になり、簡単に絵を作ることが出来ます。それは、ビックデータと呼ばれる大量な情報の中から解析されて作られるものです。
コンピュータやスマホ・インターネットなど情報に溢れている時代において、はたして人間が出来ることって何だろう。
これからの未来、オリジナルな芸術表現で何が出来るか考えるきっかけになる講義でした。
『観る部』は毎月最終木曜日に、沖縄県立芸術大学の土屋誠一先生から芸術作品を観るコツを学ぶプログラムです。
文化庁 令和4年度 地域文化倶楽部(仮称)創設支援事業