首里公民館
『古都首里探訪会』

古都首里探訪会
首里の歴史大好き人間が集うサークル。地道に首里の名跡・旧跡の資料を研さんし、発表するほか、フィールドワークもあります。限定30名という狭き門ですが、古都首里を愛する老若男女が歴史文化を熱く語っています。

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公民館名 首里公民館
サークル名 古都首里探訪会
代表者名桑江良勝(くわえよしかつ)
活動人員 30名
設立年月日平成4年(2003)年4月
活動日・時間日月・14:00~16:00

サークルの活動内容を教えてください。

<公民館の成人講座から立ち上がった限定30名のサークル>
サークルの前身は、首里公民館の取材の成人講座でした。10年程前に「古都首里再発見」という公民館の講座がスタートしました。来年で10年になります。
当初の講座は25人ほど。事業が終了しても、首里への思いがある人が残り、サークルとしてやっています。サークルは30名限定。入会は2年待ちの状況です。なぜ限定にしているかというと、これ以上の人数になるとまとまりがつかないからです。メンバーはインテリなレベルの高い人もいれば、歴史の初心者もいるという状況。それで限定しています。だれかがやめないと次は入れません。「でも、みなさん滅多にやめないですよ」首里の名所旧跡の資料づくりとマップの制作です。毎年二月の首里公民館まつりで、資料の販売とマップの展示をやっています。
マップは畳1畳くらいの大きさで、ひとつの町を紹介しています。19町全部を紹介しています。冊子は一町300円で販売をしています。サークルはその収益で運営をしていますから、個人の会費の負担が少なくてすみます。
年会費は2000円です。月に換算すると150円。缶コーヒー一杯ですよ!
第1・3月曜の2時から4時が活動の時間です。月1回はフィールドで調査をするようにしています。首里19町を全部まわっています。真和志町などは世帯は少ないが、史跡が多いという地域になります。首里は景観条例などもあるので、15メートル以上の建物が建てられないので、人口はなかなか増えないですよ。

サークルの魅力は?

「首里崎山町で生まれ育ちました。紅型の仕事をしています。普段住んでいる地域ですが、史跡や地域のことをくわしく知りませんでした。仕事柄尋ねられることもあり、もっと学ぼうとサークルに参加しました。今年の10月から姉と参加しています。生まれ育った場所のことを知らないと恥ずかしいなあと思いました。町のことを自分の言葉で話したいです」(当眞さん紅型作家)

サークルの雰囲気をお教え下さい

<首里を再発見する喜びにあふれて>
わきあいあいと笑いながら、楽しみながら資料づくりをしています。わたしも先代々首里ですが、知らないことが多いですよ。琉球新報に勤めていましたけど、現役時代は仕事一筋だったので、定年後この会に参加して首里を再発見しています。

サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか

若い30歳のメンバーから80歳まで。68歳くらいが平均年齢だと思います。リタイヤ後のシニアの人が多いです。

サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)

メンバーは90%が首里の人です。ひとり北海道から年3回くらい参加するメンバーもおりますが、祖父が首里出身と縁のある方です。本人からの希望があり参加しています。そのほか南城市、浦添市などからも参加者がいます。

メンバーとはサークル外での交流もありますか?

県立芸大や首里城で開かれる講座に参加しているかたも多いです。
みんな仲が良いんです。たまに「まちや小」(店)にいってビール飲んだりもしています。そのときに「しーぶん」(おまけ)があったりして、楽しいですよ。

今後の活動について

<本格的な書籍の出版へ向けて>
現在は2月の販売にむけて、1000部220P フルカラーの本の編集作業中です。A5 サイズ。首里城+首里19町をまとめています。

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取材者名 桑江良勝さん(代表)
活動歴 10年

サークルに参加したきっかけをお教えください

10年前にあった古都首里再発見の講座に桑江さんも参加しています。
琉球新報に勤めていましたけど、現役時代は仕事一筋だったので、定年後この会に参加して首里を再発見しています。

サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください

<首里を愛することは、故郷への感謝のこころ>
ひとことでいえば勉強ですよ、生涯学習です。楽しさもありますね。
首里のまちも、都市計画での道の拡張など、古い家がなくなっていきますから、いまのうちに写真をとって、記録に残そうと思っています。首里を愛していこうということ。高尚なものではないです。単純に、故郷を愛そうということなんです。

サークルでの目標やモットーにしていること

<インテリジェンスの英知を結集>
目標は公民館まつりにむけてのサークルの本の出版です。本格的な冊子になりますから、真剣そのものです。
どこの組織においてもチームワークだと思います。協力してやっています。このサークルはインテリが多いので、本を制作するにしても様々な意見がありました。それをまとめるのは大変ですが、個人個人の意見が反映され、団結するとまとまりがでて進んで行きます。
サークル活動に苦労はないですが、あるとすれば全体をまとめること。

公民館を利用して便利な所

5年前には無料だったんですよ。いまは65歳以上は半額になるんですよ。
二時間借りて400円です。便利ですよ。

公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。

まあ、駐車場があったらと思いますが、これは土地柄なくてもしかたがないと思っています。
みんな楽しんでますから、要望はないと思いますよ。

<生きていることが軌跡。1945年にうまれた使命>
桑江さんは70歳になります。サークルに1945年生まれのメンバーが3名いますよ!戦争中に首里から辺野古へ疎開して、そこで戦争中に生れました。
昭和20年です。私たち世代は、生きていることが軌跡です。

松島博明さんは「はるかなる満州」を出版しました。10月10日十十空襲の日に本を出版しました。
私は満州生まれです。満州と沖縄。どちらも大変な戦場でした。開拓団にいってなくて、沖縄にいても相当危険でしたよね。1945年に生まれて、満州からは翌年に復員しました。

サークルには様々な人財がいます。テレビのプロデューサー、新聞記者、学校関係の仕事をしていたかたなど。
元気で長生きして「なかからどー」(今からですよ)を合い言葉に集っています。20歳の気持ちですよ!気持ちは若いです。

取材日:2015 年12 月20 日担当:鳥越一枝