1月24日、全国的に強烈な寒波が押し寄せた日。沖縄も寒い!!猛烈な風が吹く中、7名の部員と沖縄県立芸術大学を訪問しました。到着すると美術工芸学部 絵画専攻の阪田清子先生が笑顔でお出迎えくださり、早速「美術棟」の見学へGO!
石膏室:とても天井が高く光を取り込むためにガラスの壁で、ギリシア彫刻の石膏像が並んでいます。こちらでデッサンをしたり制作をしたり授業をするそうです。
版画実習室:大きな作業台やプレス機などが並び、Tシャツなど身近な版画のお話など交えて分かりやすく教えていただきました。
そして、絵画専攻には油画と日本画という2つの分野があり、それぞれのアトリエへGO!
油画分野:天井が高く広いアトリエには、学年ごとに8名ほどの学生さんが制作されています。油画作品だけでなくミクストメディアという複数の素材を使った様々な作品が並んでいました。平面作品から立体作品、インスタレーション(空間芸術)まで幅広い表現が出来るそう。
日本画分野:日本画は色とりどりの顔料を膠という動物性ゼラチンの接着剤で定着させる繊細な絵画です。日本画の喜多先生が作品のお話や顔料の元となる美しい石を見せてくださいました。沖縄に軽石が漂着した時には拾いに行き、砕いて顔料にして作品制作したそうです。
同じ絵画専攻でも、材料が違うだけでなく絵の具が飛び散るアグレシッブな油画と、靴を脱いで床で繊細に描く日本画。とても対照的なふたつの絵画ですが、様々な表現があって美術って面白いですね♪
そして石膏室に戻り、本題の阪田先生の作品のお話を聴きました。
アクリルケースに入った貴重な作品を観せてくださいました。戦時中のハガキ・写真・電報などに小さな立方体の塩の結晶が積み重なる作品です。
海に海水を取りに行き、煮詰めて飽和状態にして結晶を作る。小さなものでも1ヶ月はかかるそう。時間をかけて作る過程も大切。海という“生”が育まれるイメージと戦時中の今は存在していない人たちの“死”のイメージ。塩の結晶は、その存在を浮かび上がらせる墓標になるとのこと。。
実は昨年、部員たちと一緒に沖縄県立美術館「FUKKI QUALIA」展で阪田先生の作品『止まったカーテン』を観ている。風になびいているカーテンがそのまま止まっていて、置いてあるイスも傾いたままの作品。安保改定50年の年に制作。悲しい背景のもと風が吹き、翻ったカーテンの向こう側には希望が見えるのか。風をはらんで止まった空気感を制作したとのこと。傾いたイスも微妙なバランスで立っており、それを支えているのは沖縄の地面を形成する琉球石灰岩である。。
阪田先生の作品からは、沖縄の歴史や背景、風景まで広く深い思いが伝わってきました。
今回、作品を間近に観ながらお話を聴き、学生さんの制作風景や施設見学なども出来て、部員たちにとって貴重な体験だったと思います。優しく穏やかな阪田先生および沖縄県立芸術大学の皆さま、ありがとうございました♪
共催:沖縄県立芸術大学
文化庁 令和4年度 地域文化倶楽部(仮称)創設支援事業