今帰仁中央公民館
『ミニ四駆』

青年会活動の一環でスタートしたミニ四駆のイベント。父親世代と子ども世代をつなぐアイテムとして、一緒にミニ四駆を組み立て、レースに挑みます。イベント終了後も愛好する仲間が集いサークル活動を展開しています。



公民館名今帰仁中央公民館
サークル名ミニ四駆
代表者名上間哲郎
活動人員10 名
設立年月日平成25年6月
活動日・時間日金・19:00~22:00

サークルの活動内容を教えてください。

<地域の子どもたちと遊びを通して、友達になろう>
今帰仁村の青年会長をやっていたときに沖縄青年団協議会の特色ある事例ということで活 動報告をしたことがあります。
今帰仁村には19の字があります。大きい所、小さいところありますがその中の13の字で 青年会活動が行われています。メンバーは積極的というよりも、いつも同じメンバーが集っている、駆り出されているという状況です。ボランティアです。活動ができないのはメンバーが少ないからです。最近は青年会の活動を高校生まで引き下げて行っていますが、参加はきびしいですね。親が行かさない場合が多いです。
自分の字で手一杯のところもあります。私の地域は仲宗根ですが、今は村の会長をしています。担い手不足を解消するには、子どもと青年が繋がったほうが、エスカレーター方式でいいのではということもあり、今後の人材の流れをつくることができるかもしれない。「〇〇兄にい」という仲になるように、声かけしやすいようにという感覚で、子どもたちと関わり合えることをはじめました。「遊びを通して、友達になろう」ということを考えました。字の会長のころは動物園につれていったり、公民館で流しそうめんしたり、映画の上映をやったりしていました。

<親子の心をつかむミニ四駆>
どこもやってなくて、楽しみながらできること….ツールを使うことを思いつきネットで検索。ミニ四駆に辿りつきました。一網打尽といいますか。お父さんのこころを掴んで子ども のこころを掴んで、ゆくゆくは青年会へ!みたいな流れをイメージしました。
ミニ四駆で遊んでいた世代が、ちょうど父親世代になっていて、まずは父親の心を掴み、 子どもと一緒に参加することを促すということです。

<やるからには真剣に!>
「やるからには真剣に」をモットーとしているので、今帰仁のお祭りのプログラムにもとり入れていただきました。さらに新聞の通信員の方に取材をしていただき周知にも力をいれました。やっている人を増やすためにアピールできるのは垣根を儲けずにアピールしました。
2015年に OTV のニュースで放映。テレビの取材がくるというので参加者も大勢集まりよいスタートをきれました。
ミニ四駆は「タミヤ」という企業の商品です。会社に手紙をかきました。今帰仁村でミニ四駆をしたいと。タミヤからサンプルと販促用のチラシやのぼりをいただき、ミニ四駆を販売しました。ネットでは800円ほどですが、自分たちのイベントでは電池をつけて1000円で販売しました。ミニ四駆は箱にはいっている状態です。プラモデルを一緒につくるところからスタートします。100台以上は販売しました。利益は80円ほどです。開催後は企 業へ開催の様子等を写真などで報告しました。

<活動=走行会 盛り上がりとスランプ>
活動は19時から。21時過ぎに子どもは帰りますが、その後は大人の時間という感じで、 大人たちは23時ごろまで楽しんでいます 。大人8名、子ども2名ほどの参加者です。 子どもたちの継続についてですが、はっきりいって、ミニ四駆はゲームに負けました。携帯 のゲームや DS にです。
ミニ四駆はだんだんとスピードを速くしていくと、コースアウトなどをしてスランプに陥ります。そのときに父親や青年が上手くサポートできると続けて行けるのですが、カスタマイズする部品が地元に売っていないこともありそのフォローがうまくいきません。片道50キロをかけて中部まで300円の部品を買物にいくということはそうそうできません。北部の 不利なところでもあります。
インターネットなどを利用し自分で購入したり、カスタマイズできればいいのですが、土地柄そうもいかないです。スポーツなどでスランプを脱すると伸びることがあるように、ミニ四駆にもスランプがあるんです。
村のまつり以外にも、地元の特徴をいかして、今帰仁城跡で「世界遺産大会」というのをやりました。駐車場とかではなく、ちゃんと今帰仁城跡の中にコースを作ってやりましたよ。

サークルの魅力は?

<全員がスタメンになれるミニ四駆>
青年会の目線で言うと、世代間の交流ということになりますが、このゲームの良さは全員がスタメンになれるということなんです。個人競技なのでだれでもレースに参加できる。遅くても、対戦相手のミスで勝ったりすることもあります。

サークルの雰囲気をお教え下さい

<こだわりが交差する走行会>
ミニ四駆に電池を入れて、慣らし走行をします。自分の課題がみえてくるので、車輛の調整をしていきます。ミニ四駆はエンジンのモーターを変えると速くなります。ギアで速度が調整できます。ギアのギザギザの多さで最高速度が出たり、加速が速かったりと異なります。
クネクネしているコースの場合は、加速使用のモーターがいい。タイヤは小さいのにしようとかという。考えながらやっていく。電池は充電池を使っています。いろいろ聞きたいことは先生になるような人がいて、その方に聞く様にしています。

1時間後にはレースをスタートします。レースはトーナメントではなく、リーグ制にしています。必ず参加者全員と当たるようにして、先にゴールしたら3点、あとにゴールしたら1点、コースアウトは0点。1位になるのが、みんなの目標です。強い人もいますよ。ダントツに上手い人が!速くするにはあの方法がいいというのがあるんですが、僕的には見た目がかっこよくないので、それをせずにあいつらに勝ちたいという、野心みたいなもの、自分のこだわりがあります。

サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか

毎週金曜日の活動は10数名です。小学生と大人という構成です。メンバーに10代後半はぜんぜんいません。年齢は25歳以上の男子から50代ごろまで。25歳以上の方は子ども のころにミニ四駆が流行っていたので、懐かしいということで参加しているようです。

サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)

ほとんどが地元のメンバーですが、地域以外のかたも走行会のとき(金曜日)に集まります。女子は国頭からお父さんについてくる児童がいますが自分から参加している人はいないです。大宜味村からもきています。遠方は浦添からくる人もいます。この人は「神レベル」の人で、今帰仁の魅力をしっていて、ここはコースが自由にかえられるので、データがとれるというので、彼は通ってきています。 そのような方は二人います。

メンバーとはサークル外での交流もありますか?

青年会のメンバーは地元の行事等であったりするのですが、サークル以外の人とそれ以外で 集まることはありません。

今後の活動について

<子どもたちとの関わりを継続していきたい>
金曜の走行会は続けていきます。離れて行った子たちがいるので、その人たちをどうにかしようと思います。スタートしたときに小学校の子どもたちが多かったのですが、中学生になると部活がはじまるので、ミニ四駆にこなくなってしまった。部活動でも人材なのだと思います。

Q 沖縄大会とかはやりますか?
僕の力では無理なので….豊見城市のトミトンでトミトンカップというのがはじまっていますので、そこに集約されています。 今年は本部町でも取り組んでいるようです。こちらに見学にきて「やってもいいですか?」
ときかれました。「なんで俺にきくの?どうぞ自由にやってください」と。はじめにやっているから聞いてきたということでした。
ミニ四駆はサークルとしての成り立ちが、趣味からのスタートではなく、青年会活動の一環でした。子どもたちとの関わりということでいうと今後取り組みの中身が変わる可能性もあります。変わるというよりも、新しいことを始めるという可能性は十分あります。これまでも、流しそうめんやカレーづくりとかいろいろやってきました。一番いいのは映画の上映とかですね。子どもに何かを作らせるとなるととても大変なので、集まって見るくらいが調度いいんです。親たちも助かるといいますし。DVDをかけるのは著作権的にかなりグレーだと思うので、現在はやっておりません。

取材者名上間哲郎
活動歴  2年

サークルに参加したきっかけをお教えください

<にいにいとよばれる関係を目指して>
青年会活動を活発にするために、地域の子どもたちとふれあい、〇〇にいにいという関係をつくるために考えて取り組んだことがミニ四駆のイベントでした。今帰仁には売っていないようなミニ四駆のイベントをするにあたっては、企業に手紙を書いたりして、実現へとこぎつけました。トータルでは100台以上のミニ四駆を持つ人たちが地域に生まれました。ミニ四駆を作ることで、大人と子どもが一緒にモノづくりをするという目標は達成できました。

サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください

<おもちゃが生み出す魅力>
ミニ四駆はただのおもちゃなんですけど、自分で作るものなので、たんなるおもちゃとどこかちがう気持ちがでてきます。愛着がでてきます。それが楽しい所でもあります。
村おこしともいえる、青年会活動を続ける理由は「こころは、ひとつ」です。私の財布には その言葉が刻まれています。いつもその言葉を胸においています。
続けるために思うことは「粘り強さ」と「繋がり」。和に入ってこれない人は直にやめていきます。会話をしたり、友達になること。繋がっていけるか。
親子の「絆」も深められます。ミニ四駆というひとつの道具で親子の会話が増えたというエピソードもあります。 サークルの存続については「いまそれに直面している」と感じています。

サークルでの目標やモットーにしていること

<青年と子どもが会話することを大事にしたい>
青年と子どもが一緒にミニ四駆をつくることで、本来望んでいることが叶いました。子どもたちと会話をするということです。
ミニ四駆を作るには解説書を読む国語の力、組み立てる技術・図工の力、モーターや速度など理科の力、ものづくりの中に、いろんな学びがあることに気がつきました。

公民館を利用して便利な所

2014の6月に大人と子どものコミュニケーションのためにスタートしました。最初は別の施設でやっていましたが、2015年の7月か8月に中央公民館で活動するようになりました。その前は字の公民館でやっていたのですが、ほかの地域の人が来にくいというのがあって、それならば、中央公民館が集まり易いだろうということで移りました。

公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。

<望むこと>
村全体の話なんですが、公民館がデイケアの場になってほしい。コミュニティの場は病院ではありませんといいたい。地域の人が、地域のためにできるようになれば、もっと使い道はあるだろうと思います。

取材日:2015 年1月18日担当: 鳥越一枝