牧志駅前ほしぞら公民館
『星空案内人養成講座』

プラネタリウムのある牧志駅前ほしぞら公民館では、その特徴を生かし、星に関する講座をいくつか行っている。その中でも全国規模で専門的な知識と、資格まで取得できる講座『星空案内人養成講座』の人気が高い。自らも講座の受講経験のある社会教育指導員の宇久淳子さんにお話をうかがった。

対象:星空に興味のある16歳以上
目的:公民館をはじめとする各地の星空観察会などで地域ボランティアとして活躍する「星空案内人」を育成する。
特徴1:プラネタリウムのある公民館という、施設の特徴と強みを生かしたプログラム。
特徴2:全国的な認定資格である「星空案内人」を取得でき、自発的な社会活動につながるきっかけづくりができる。
アピールポイント:ホテルや観光施設、子ども会などからの要請に応えられる、自らワークショップが実施できる主体的な「星空案内人」をめざす。

プラネタリウムのある公民館
全国でも珍しいプラネタリウムのある公民館が、今回訪れた「牧志駅前ほしぞら公民館」だ。現在活躍中のプラネタリウム技師の方は「星空案内人」の資格を持つ。
お話をうかがった宇久淳子さんは『星空案内人養成講座』の2期生。この講座を受講したことがきっかけで公民館職員になった。
「牧志駅前ほしぞら公民館」の前身である「久茂地公民館時代」に、星に関する講座を模索する中、今から9年前『星空案内人養成講座』をスタートさせた。元プラネタリウム技師や、「公益財団法人日本宇宙少年団」の団長、望遠鏡のスペシャリストなど、星に詳しい力量のある講師が周りにいるこの公民館の特性を生かした講座である。
5年前に久茂地から安里に移り、現在の「牧志駅前ほしぞら公民館」となってからも、変わらずの人気を誇るのがこの講座だ。
毎年多数の申し込みがあるため、抽選を行っているが、毎回抽選にもれる人がいる。そこで、昨年度は抽選方法を見直し、希望者90名全員を受け入れた。この講座への参加をきっかけに公民館を利用するようになった人も多い。

認定資格「星空案内人」

認定資格「星空案内人」とは、山形大学の「小さな天文学者の会」が企画している全国規模の講座で、資格は2段階になっている。「準案内人」を取得した後「案内人」の資格を取得できる。
全国共通の資格認定講座であるため、たとえば沖縄から転居して県外に行っても、沖縄で受講した分に関しては引き継がれる。別の地域で残りの講座を受講して、資格の取得が可能だというのもこの講座の特徴である。
受講生が、聴講生として再受講したり、「案内人」になるための試験を受けたりするため、公民館職員にとっては、講座終了後もフォローが必要になる。今までの受講者全ての情報を把握していなくてはいけないという、特別な管理が必要になる。

主体的な案内人

全8回の講座のうち、望遠鏡のしくみなどを学ぶ必須講座3つと、星座や宇宙のことを学ぶ4講座のうち任意に選んだ3講座を受講し、2つのレポート提出した後、審査に合格すると「準案内人」の資格が取得できる。取得後には、「親子星空教室」や「宇宙の学校」といった子ども向け講座や、「星空案内人講座」のサポートの他、さまざまな形で公民館活動に参加する機会も設けられている。
月に1度は勉強会を開催し、情報交換などもしている。講座が終わったら終わりではなく、受講後がスタート地点なのだ。
「準案内人」資格の取得後、さらに2つのレポートを提出し、観望会(*2)の企画・実施を行い、その全てに合格すれば「案内人」になり、望遠鏡持参で子どもたちに星の話をしたり、説明が出来るようになる。毎年、夏に公民館で開催している観望会でも活躍。また、観光地である沖縄ならではの、星空ガイドやツアーなど、ホテルや観光リゾートからの需要や、小学校、PTAなどからの要望も多く、こうしたニーズにこたえるためにも「星空案内人」を育てていきたいという。
昨年浦添市美術館で行われた「宇宙散歩by MEGASTAR」(*3)では、主催した琉球新報社から依頼があって、ビニール傘に星座を写し取る子ども向けワークショップ「星座早見」を実施した。

「沖縄に来たからには星空を見てほしい」と語る宇久さん。緯度が違うと見える星の高さも違い、南十字星やカノープスといった南の島でしか見られない星もある。また、沖縄は惑星の観察にも適している。ジェット気流の関係でゆらぎが少ない。
「星空案内人」になる人は、自分から動いて、場数を踏む事によって、現場に育てられている。長くガイドをされている方は、小さな引き出しを沢山持っていて、面白い話ができるのだそうだ。プラネタリウムがあったり、観望出来るスペースがあったり、星を見る環境が充実している公民館ならではの講座といえるだろう。

現在、沖縄にいる「星空案内人」は9名。今後は「星空案内人」から講師に育てていくなど、活躍の場をさらに広げていきたいと宇久さんは語る。

(*1)久茂地公民館は前身の少年会館の時からプラネタリウムがあった。その歴史は30年以上。
(*2)星の案内をする観察会。星空案内人になるためには、観望会の企画・開催が必須になる。日程、会場選定、安全面の確認、トイレの配慮、その時に見える星空の調査など全てがチェック項目になる。
(*3)プラネタリウムクリエイター・大平貴之氏によって製作された新世代のプラネタリウムシステム。本物の星空が持つ奥行と広がりの再現を可能にした。「世界で最も先進的なプラネタリウム」としてギネスブックにも載った。
牧志駅前ほしぞら公民館
〒902-0067  沖縄県那覇市安里2丁目1番地1号
TEL.098-917-3443 / FAX.098-835-4903

取材協力::宇久淳子(牧志駅前ほしぞら公民館)
文責:佐藤純子(NPO法人地域サポートわかさ)
取材日:2016年10月28日