今帰仁中央公民館
『なきじん民踊風車(かじまやー)』

婦人会を中心に立ち上げた民踊サークル。いつでも、どこでも、だれでも踊れる「民踊」はシニアの健康づくりになることから、たくさんの仲間の輪を広げ、楽しい時間を共有しています。村まつりの発表など、地域に根ざした活動をしています。

nakijin

公民館名 今帰仁中央公民館
サークル名 なきじん民踊風車(かじまやー)
代表者名 謝花勝子(じゃはなかつこ)
活動人員 40名
設立年月日 昭和60年4月
活動日・時間 火・14:00〜16:00

サークルの活動内容を教えてください。

<地域婦人会を中心に結成>
民踊りのサークルとして活動をしています。今帰仁中央公民館で週に1度の練習をおこなっています。
昭和60年に婦人会を中心に今帰仁民踊愛好会を結成しました。今帰仁村の19の各字に公文書を出して、30名ほどが集まりました。

婦人会を中心に地元の仲宗根公民館で、夜に活動をしていました。地域で5〜6年たったころ、中高年の方から「参加したい」という声がでました。中高年が増えると夜の練習はきびしいです。当時は地域で車を持つ人も少ない時代です。みな乗り合わせでしたから集合場所へ集まるのも一苦労でした。
平成2年に昼間の「なきじん木踊会」、高齢者を中心に「今帰仁ゆうなの会」を結成。地元の仲宗根のメンバーの会(なきじん民踊風車・かじまやー)と3つになりました。翌年には「今帰仁うりずんの会」、「今帰仁あざみの会」とサークルは5つもできました。(現在あざみの会は中心メンバーが体調不良で休止中)

公民館活動の発表の場は、文化協会が主催する各種まつりに参加しています。今帰仁では参加するメンバーが同じ人であったりするので、いくつもあるまつりを統合して「今帰仁村まつり」としています。そこにはサークル活動をするメンバーが舞台発表をおこなっています。高齢者と一般とわかれて盆踊りもあります。

サークルの魅力は?

<達成感をみんなで共有>
楽しい、踊りたいというメンバーが増えたんです。その後も海洋博のイベント、花のカーニバルなどで駆り出されます。そういうイベントは練習の間は大変ですけど、達成感をみんなで共有するものですから、参加してよかったねととても楽しい気持ちになります。
このようにレクに入った人たちは、行く行くは婦人会の役員になっていくという流れができました。やはり、ボランティアで人のために働くことが好きな人ができるんですよ。地域に密着してボランティアができることはすばらしいことですよ。結局は地域が潤うわけですから。

サークルの雰囲気をお教え下さい

<ゆんたく半分、踊り半分というバランス>
踊りが好きという理由できていますから、ゆんたく半分。皆しっちょーるー(親しい間柄)です。やんばるは家族的雰囲気で言いたい放題。でも誰も咎める人はいません。ゆんたくも弾んで、休憩時間もつい長くなっています。でも、これが、ストレス解消になっていますね。

サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか

<愛好者は小学生から90歳まで>
女性が中心のメンバーです。最高齢は90歳くらいまでいますよ。
大会のときに男性をお願いしてやっていますが、5〜6名ほど。女性のほうが元気です。これが、長生きの秘訣ですね。生きる力はこのようにレクしながら、いろんな情報が得られます。
平成24、25、26年と子ども民踊教室をスタートしています。中央の民謡フェスティバルは沖縄市まで出かけて行きます。学童の子どもたちがそこで発表をしています。名簿では40名くらいいますが、30名程が参加しています。4つの会をトータルすると150名程になります。中心メンバーでなくても、ついていくだけでもいいですよ、こちらに来ておしゃべりするだけでいいですよと声かけしています。ストレス解消になりますから。

サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)

各字の中心メンバーがきています。今帰仁村のメンバーで、各地域の老人クラブの総会、新年会などで踊るときには、このメンバーが中心になって踊りを教え、指導をします。
「寝たきり老人」という言葉よくききますが、「起きたきり老人」にならないでよと声かえしています。「起きたきり老人」とは、家にいてテレビだけみていて、外に出ない、活動しないという人のこと。できるだけ、外に出て、交流していこうと呼びかけています。

メンバーとはサークル外での交流もありますか?

<役割分担で責任感を育む>
新年会など練習以外の集まりもあります。会員ではない人も参加することもあります。サークル以外に集まるほうがいいです。
昼間は仕事して忙しいメンバーですから、グループ分けをして役割を分担しています。
そして運営に関わっていただくようにしています。誰かがやるだろうでは困りますし、それではひとりの負担が大きくなります。フェスティバルやレク大会、新年会にグループで責任をもって関わるようにしています。

施設訪問も多く行っています。いつでも来ていいといわれますが、やはり節目節目のときに訪ねています。お誕生会や敬老会などです。自分たちと島言葉などほかのサークルにも呼びかけておこなっています。
サークル活動ですが自分たちだけで楽しむのではなく、必要とされているところにいく。施設の方々は話し相手がほしいんですよ。知っている人がくるとうれしいですし、とても喜んでいただいています。
これは時間をさいてでもいかないとと思います。

今後の活動について

<人材育成が課題>
リーダーの育成が課題で、一番の悩みです。育成したいリーダーは50代の方々ですね。みんな現役でお仕事していたりしますから、昼間の講習に参加できるのが難しんです。
若い人たちは情報が溢れています。いろんなものがあって、情報を得ることができます。ここにこなくてもいい。イベントなどの練習など積極的にやってくれている部分もあるので、助かっていますし、育ってはきているけど、私がやっている限りはやってくれないと思います。
自分が出来る間は民踊をずっと続けたいです。これがないと生活に潤いがなくなるという気持ち。月曜日からはじまって午前中は教室をまわって、ずっと練習があります。名護へも教えにいっています。
毎年2月に九州地区の研修会があります。各県持ち回りでいろんな地域に行けて楽しいです。自己負担ですが、交流目的で参加しています。

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取材者名 諸喜田スエ子さん(なきじん木踊会代表)
活動歴 40年以上

サークルに参加したきっかけをお教えください

<地域を支えてきた婦人会の存在>
私は教育委員会と役場の仕事をやっていました。催物での婦人会への依頼が多いんですよ。
参加するとしても、いきなりは踊れません。普段からやっていないと。昭和47年の若夏国体で各村から5名くらいのメンバーを募って、集団演技をやることになり、若夏国体を盛り上げたのです。そのあと、民踊の会員が急増しました。

サークルを立ち上げる中心人物になった理由

周囲からやらざるをえないような立場に追い込まれます(笑)。今帰仁ではPTA=婦人会というかんじで、子どもたちが学校にいくようになると婦人会活動をやらないといけないということになります。「忙しいのはみんな一緒なので、いえないさー」私は子どもがひとりだったので、暇とか、融通がきくとおもわれたのでしょう。そして、性格的に断り上手じゃないんですよ。

<サークルの理解者を広げたい>
このクラスは100名ほどいましたけど、足が動かないとか、老老介護がはじまったりで、人数が減少しています。身内に不幸があると喪に服す時間もあります。田舎の場合はサークル活動をしていると、遊んでいると思われてしまいます。体操はできても、踊りはできないという声も聞こえてきます。やはり世間の目がきになるという方も多いです。健康づくりや交流という目的に注目してほしい。体を動かすことで、ふさぎ込んでいる気持ちが楽になる場合もあります。もっと理解を広げたいです。

サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください

<使命感で地域貢献に励む>
私から民踊をとったら、何も残らないかもしれません。自分に与えられた仕事の一部。自分がやらないといけないという責任のようなものです。それは、喜びでもありますよ。自分が楽しくないと、みんなを楽しませてあげられません。
主人を亡くしたときも、みんなに声をかけていただき、サークルに呼ばれたことがうれしかった。そういう面では自、生き甲斐といいますか、民踊にたすけられています。みんなと一緒に楽しむことができています。
趣味の域は超えていますね。自分のためにでもあるけど、地域のためにという気持ちです。

サークルでの目標やモットーにしていること

目的は健康づくり、いきがいづくり。親睦や地域の和づくりです。

サークルを続けていたころの心得

講習会があると、お昼や夕飯の準備をしてから出かけました。やはり家族に迷惑はかけられませんから。準備してでかけることは、リーダーさんは心得ていますよ。

公民館を利用して便利な所

公民館活動は使用料が免除されていますから利用がしやすいです。中央館が集まり易いです。各字になるとやはり集まりにくい。
(クーラー代はでます)

公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。

公民館は、今は部屋が少ないくらいなんですよ。練習で使いたいときに予約がとれないということがあります。

取材日:2016 年1 月19 日担当:鳥越一枝