エヴァダンシア与儀

幼児から小学生を中心としたバトントワリング・ダンスのサークル。立ち上がったばかりですが、年齢の違う仲間と共に楽しく技を磨き、イベントやマーチング、全国大会を目指して練習しています。

naha Evadancia

公民館名 那覇市中央公民館
サークル名 エヴァダンシア与儀
代表者名 宜野座秀佳
活動人員 7名
設立年月日 平成27年(2015 年)4月
活動日・時間日 木・17:00~18:00

サークルの活動内容についてお教えください

エヴァダンシア自体は10年以上経ちます。壺屋小学校、指導者は別ですが天久小学校でも教室をしています。壺屋小学校では3歳、幼稚園生もいます。主に娘2人で壺屋小学校とここの指導をしています。
この公民館でのサークルは立ち上がったばかりです。元々壺屋小学校の教室に通っている子たちが、ここでサークルを立ち上げたんです。2015年4月に設立しました。
サークルに参加している人数は現在7名ですね。ソロ・ペア・2バトン・ダンスなど、豊富な種目があって、幼児から小学生を中心に、学校や年齢の違う仲間と共にイベントや全国共通の検定に向けて練習しています。楽しく時には厳しく技を磨き、マーチングや全国大会を目指しています。那覇市のイベントでは、『公民館まつり』『那覇まつり』のパレードに参加しています。
活動日は毎週木曜日夕方五時から六時です。
バトントワリング・ダンスを行っている数少ないサークルで、少人数ながらも、小学生を中心に活動をおこなっています。イベントに参加するレベルアップを目指して練習しています。

サークルの魅力は?

<制限された場所で工夫する>
踊っているときに曲の中に溶け込めること、バトンが体の一部のように感じられることですね。バトンと身体を使ってダイナミックな表現ができることが魅力だと思います。
マーチングの場合は人数が必要であったり、天井が高くないといけなかったり、音響の問題があるんですけど、バトンの場合は天井の高さがなくても、その時の状況にあわせて練習することができます。例えば、狭いビルとビルの間でバトンを投げてターンをする練習は、バトンの投げ方やターンの練習として効果的なんです。狭いところの方が強制できるんですよね。「場所がない」ではなくて「場所が技術向上の協力をしてくれている」という意識でいつでもどこででも練習が可能なところが面白いと思います。

一人でも練習ができるし、極端な話、トイレの中ででも練習ができる。制限されない場所の場合、本人は自分がキレイに踊っているつもりでも、投げ方がまっすぐでなかったり、ターンが美しくなかったりします、でも自分ではそれに気づかないんです。場所として制限がある場合、例えば狭いスペースでバトン練習をして、壁にぶつかってしまった場合、「壁が動いてぶつかった」とは言えないですよね。壁は動かないんですから。そこで本人がバトンの投げ方に問題があったのだと自覚することができるんです。それに、身体(低い天井で早くターンをする、狭いスペースで腕をきちんと上に上げるなど)の動きの強制もしやすいんです。

そういう風に様々なやり方で練習方法を提供していかないと、子どもたちも飽きてしまうんですよね。基礎練習は、反復が必要だけれども、なかなか続かない。最初の練習では15秒で何回ターンができるかを測って、回数が増えるようになるのを楽しんで練習してもらうようにしています。最初は15回(1秒に1回)しか回れなかった子が、1か月後は30回(0.5秒に1回)回れるようになる。上達したことが数字で見てすぐにわかるので、意欲も湧き、継続につながます。ターンがある程度できるようになったら、今度は左回りの練習に移ります。右回りはキレイで早いけれど、左回りになると全くの別人。聞き手は上手に扱えるけれど、そうでない手ではうまくいかないので、今度は弱い部分の練習にかかる、という風に練習します。現在は側転や逆立ちの練習をしているところです。そういう風に基礎練習を進めています。

サークルの雰囲気をお教え下さい

割と全体的に優しい子たちばかりです。例えば、誰か一人できないときも全員で励まし合ってできるまで見守るような雰囲気はできています。学校以外での時間の中で、チームとしての関係づくりが作れるようになってきています。
また、違う学年との交流もあるので、そういった意味で教室やサークルの時間は大切なんだろうと思います。一人っ子の子にとっては、お姉ちゃん的な存在が近くにいるのは安心でもあるんじゃないかな。今は、壺屋の子たちばかりなので、他の地域の子どもたちも入ってくるようになると、壺屋以外のカラーが入ってくるんじゃないかと思います。今後、新しい子たちが入って来るのを期待しています。

サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか

小学校2年生~5年生の子たちが集まっています。メンバーは女の子ばかりですね。男の子は壺屋や天久を含めてもいません。日本レベルで言うと、男の子のレベルは高いけれど、小学校中学年くらいになると、周りの友達にひやかされてなかなか続かないんですよね。昔はピアノやバレエも女の子の習い事というイメージがあったんですけど、今は男女関係なく普及しているので、バトンも男の子にも広まってくれたらいいんですけどね。福岡なんかでは男の子も結構バトンをしている子は多いですよ。

また、現代っこは、どこかで心の解放をさせないといけないんだと思います。楽しく、思いっきり好きな事ができる場が必要なんじゃないかな。
身体を使わずに、おとなしく上手に遊ぶ子が多いんです。また、口が達者で人の批判をすることが多いですね。いざ、「自分でやってごらん」ということになると、「なんでやる必要があるの?」と逃げてしまう子も多いので、なんでも挑戦させるようにしています。「すごい」というのは、「今、挑戦している自分がすごいんだ」ということがわかるようになってほしいです。できないけど頑張っている自分をすごいと思えるようになってほしいです。

サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)

地域は壺屋小学校の子どもたちばかりです。『那覇祭り』での発表を見た子や、壺屋小学校は学童も近いので、そこで練習の様子を見た子が興味を持ってくれて参加しているのだと思います。
7名のうち4名(ペア2組)が、3月の全国大会に参加することになっています。
ゆくゆくは、古蔵小学校、神原小学校など、近隣の小学校の子どもたちもサークルに参加してもらえるようになってほしいですね。『公民館まつり』(2月13・14日)で出演することになっているので、そこで興味を持って新規入会してくれる子が増えることを期待しています。

メンバーとはサークル外での交流もありますか?

<子どもたちとのやり取り>
時々、自分ができないこととお友達を比べて落ち込んでいるお手紙なんかを内緒でもらうことがあります。その時に、「おうちで密かに、しっかりと練習をするといいよ」とアドバイスをしたりしています。自分の孫のように、子どもたちのプライベートな部分でのサポートができること、コミュニケーションの時間が楽しいですね。
マーチングが盛んになる前から教えていて、具志頭小学校、嘉数中学校、真志喜中学校や小禄高校、名護高校など、県内各所の小中学校、高校で教えていて、石垣にも講師で訪れたことがありますよ。マーチングの基本の動きがわからないということで、基礎を教えに行っていました。その後、県外に出た教え子たちが、お正月休みかなんかで沖縄に戻ってきたときも、連絡がきて自宅に遊びに来ることもあります。

今後の活動について

<全国レベルへ>
11月23日に沖縄支部の大会があり、そこで選ばれたメンバーが今度、大阪の大会に出場します。そこで上位に入れると、世界大会に行くことができます。
小学部のバトンで強いのは、福岡や関東、関西ですかね。沖縄のレベルはまだまだなんですが、以前は九州大会の後に全国大会だったので、全国に行くこともほとんどなかったです。全国レベルを目にする機会が出てきたので、これから5年後、世界に行けるレベルに持っていけたら嬉しいです。ただ、熱しやすく冷めやすいところがあるのと、バトンがなかなか普及していかないので、そこが課題ですね。

<沖縄でバトンを普及>
県内・離島含め、小中学校・高校含めても、バトン部がひとつもないんです。沖縄では、今のところ体育協会でさえもまだバトンが普及していないみたいで、県民にいろんなところでバトンを普及していくことが今後の課題だと思います。
前原、小倉、与那城、コザなど、小学校で運動会や文化祭などでバトンの指導をしていたので、そういったところから普及するといいなと思います。

<子どもたちの成長>
バトンを広げたい気持ちもあるんですけれど、子どもたちとの関りが楽しいのと、彼女たちのことが気になっているのでそこにエネルギーがいっているところはあるかもしれません。バトンの技術向上よりも、子どもたちのエネルギーの発散の場として、バトンを楽しんでもらいたい気持ちの方が今は強いかもしれません。子どもたちとの関係が楽しいんですね。小さくても発表の場があると、そこに向けて一生懸命取り組める。達成できたときに、新たに目標も出てくるはずです。大会で一番になることよりも、自分で決められたことをきちんと責任をもって行動できるようになっていければ、個人の成長にもなり、全体の成長にもつながるのだと思います。

今の子は、秀でることを避けようとする傾向がありますね。100点ではなく70点くらいでおさまろうとする傾向があって、周りの様子を見ながら行動しがち。そうではなく、切磋琢磨できる楽しさを知ってもらいたいです。殻を打ち破って、やりたいと思って行動できたことを大切にして、自分の変化を楽しんでほしいし、その子らしく生きていくようなことをバトンを通して、仲間との時間を通して体験してほしいと思います。
私自身、アメリカでバトンオンリーの時間を過ごした時期もあったんですが、今はスパルタではなく、萎縮しない、思いっきりできることを大切に指導にあたっています。自分が一生懸命になれるものを持てる子になってほしいです。それがあれば、いろんなことに立ち向かえると思うので。

宜野座秀佳さんについて

小学校3年生のときに、鼓笛隊が結成されたんです。クラスから1名×3名くらいで結成して、バトンを任命されました。小学生の頃はいわゆるバトンガールでした。それがだんだん、曲にあわせて踊りながらバトンをまわすような内容のものへと変化して、全国大会や世界大会なども開かれるようになっていきました。
小学生の頃からずっとバトンを続けて、50年くらいですかね。
現在61歳です。東京出身なんです。結婚して沖縄に移ったんです。RBCのちびっこのど自慢『うたでヨーイ卓でドン!』という番組のオープニングやエンディングでバトンを踊ったりしていましたよ。その後、子育てのためバトンからいったん離れてた時期もあります。
沖縄でなかなかバトンが広まらなかったこともあり、指導者がいないということで、西原高校などのマーチングの旗の指導にあたっていました。

naha Evadancia Ura

取材者名 宇良亜理紗(サークル参加者の保護者)
活動歴 1年目

サークルに参加したきっかけをお教えください

3年生と5年生の娘がエヴァダンシアに所属しています。壺屋の『放課後子ども教室』で体験したのがきっかけで、教室に入って、サークルにも参加することになりました。

『壺屋小学校放課後子ども教室』>>
月曜日~土曜日まで毎日、児童が安全に楽しく、有意義に過ごすことができる場所を提供している。PTCAの方々の協力により、スポーツ、パソコン、バトン、学習、空手、手作り教室などの放課後教室が開講された。

サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください

学童には入れていましたが、元々、部活はやってほしいという気持ちがあったんです。ただ、壺屋は人数が少なくて(一クラス20名くらい)、部活動がとても少なかったんです。サッカー、野球部もないという状況で、『放課後子ども教室』が結構充実していて、そこでの体験がきっかけで子どもたちがバトンに興味を持ってくれたので、ここでサークルを立ち上げました。
違う学年(幼稚園生~小学校高学年)との交流を通して、お互いに教え合ったり、下の子に教えてあげたりという関係もできているので、とても良いと思ます。

サークルでの目標やモットーにしていること

目標を持って活動できるのはこの時期にしかできないことなので、つまづいて挫折しても乗り越える力を身に着けてほしいです。そういった時間というのが大切だと思っています。

公民館を利用して便利な所

公民館まつりで発表できることはとても嬉しいです。発表の場を設けることでバトンを知るきっかけになるのだと思います。また、バトンは技術が素晴らしいし、表現活動というのは素晴らしいと思っています。
活動をするためには、子どものために施設を借りる手続きとか、最初は面倒だと思ったけれども、始めてみるとメンバーのお母さん同士で協力することもできるし、練習の場としてはすごく必要です。

公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。

施設的な面で希望することは、駐車場がないことですね。どうしても送り迎えが必要になるので、少しの時間でも駐車することができるようなると嬉しいです。最初は駐車場が使えないということを知らなくて、サークルを立ち上げてからそのことを知ってショックでした。続けられるかなという不安は正直ありました。他のサークルの方も困っている方はいると思うので、どこかに数台でも確保できたらいいなとは思います。

取材日:2016年1月7日 担当: 平良亜弥