パーラー公民館大報告会、2019も大盛況!

先日、パーラー公民館大報告会を開催しました!
パラソルとテーブルは大・小計4台設置、壁にはWS『あちゃーぬ地図ゆ』で作成した大きな地図、パーラー公民館のぼり等で華やかに皆さんをお迎えしました。

登壇者、スタッフを含めると60名以上の方にご参加いただきました。

オープニングアクトとしてWS『あけぼのの歌をつくろう』の講師、鶴見幸代さんと鶴見部屋の皆さんに歌三線をご披露いただきました。
WSで作詞作曲した「あけぼののうた」が、この日はさらに立派な歌に聞こえました!
鶴見部屋、聞く度にパワーアップしてます!
大報告会に花を添えていただき、どうもありがとうございました。

最初の発表はパーラー公民館の報告です。石垣市からお迎えした子どもセンターの山里館長も一緒に登壇していただきました。

まずはじめに今年度と前年度を比較しながらおおまかな活動についてお伝えしました。昨年度と今年度ではいろいろと変化が出てきました。
さまざまな協力者が出て来て、イベントだけでなく、通常開館も充実。公園を飛びだしていろいろな場所に出向いたりもしました。
それから今年度からはじめた新しい取り組み(ZINE KIOSKやおでかけパーラー公民館など)についてお話しました。
パーラー公民館で行っている活動は、曙でやっておしまいとは考えていません。できればいろんな地域でマネしてほしい!ひろげたい!と思い、他地域での開催も考えていました。
今年度、石垣市にて2度のWSとイベントを開催しました。山里館長には、石垣市の現状や、パーラー公民館WSを行っての感想など伺いました。
山里館長から生の声を伺うことが出来てよかったです。

続いて大澤寅雄さんの検証です!
大澤さんには、パーラー公民館の利用者カードや管理者日報、アンケート結果などをお伝えして調査・検証をお願いしています。
沖縄の方ではないのでパーラー公民館に来られた事はありませんが、とてもパーラー公民館の事をよくわかっていて、いつも見守ってもらっている気分です。
昨年の大報告会で、パーラー公民館の評価として出てきたキーワード、憩と交流の場としての価値教えと学びの場としての価値は、少し形が変わってきているけれども、地域課題を発見し連携を促す媒介としての意義は増しているのではないかという風に言っていただきました。
最後にパーラー公民館の価値を語る上でのキーワードとして「ソーシャル・キャピタルという言葉を覚えていただきたい」とおっしゃっていました。
日本語では社会関係資本というらしいのですが、地域の中で出来た信頼し合える関係そのものが資本となるという事のようです。パーラー公民館ではそういった関係が培われているのではないかと思われる、と言っていただきました。大澤さん、調査・検証ありがとうございました。

休憩をはさんで、藤浩志さん(アーティスト)による基調講演。「アートと社会教育~料理とかたつむりと輝く時間と」をテーマにじっくりとお話をうかがいしました!
なんとステージには黒板が登場!
なんだか大学で藤さんの講義を聞いている様な気分になりました。

藤さんのされている活動は全部とても楽しそう!「何かさせようとする大人がいるとつまらくなる」「一生懸命、面白そうにつくっていると人が集まってくる」とおっしゃっていました。藤さんが「楽しそう!」と思った事をやっていたら、それが場になったり、プロジェクトやイベントになったりしたんですね。
専門家を巻き込んでいくこととか、先生や授業のない部室をつくるなど、パーラー公民館で行っている活動に通じるお話もたくさん出てきました。
タイトルにもある気になるワード‵かたつむり′はお話の最後にやっと出てきました。
「アート=常識を超える考え方」
作る事の楽しさは、そのプロセスにある。いろんなことが効率的、合理的になってしまってきているけれども、プロセスをゆっくりと楽しむことは‵輝く時間′を長くすることになる。公民館活動というものは、‵いかに楽しい時間の持続させるか′なのではないかとおっしゃっていました。

続いて、ユニークな取り組みとしての事例紹介です。

ひとつ目は「Co-Minkan」
コミュニティーデザイナーの出野紀子さんにお話いただきました。
Co-Minkan普及実行委員会として、全国に私設公民館を作る取り組みをされています。

公民館をつくるには、困っている人と何かしたい人が必要とおっしゃっていました。
Co-Minkanでは、ガイドブックをつくったり、モバイル公民館をつくったり、館長をつくる塾を開講したり、私設公民館であるからこその新しいアイデアがたくさん!
「モバイル公民館」はスーツケースに必要なものをつめた移動公民館なんだそうです。スーツケース・・・これこそ本当に移動式ですね!

二つ目の事例は「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」
お話いただいたのは「リッカ!ヤールーキャラバン!」を開発する際にいろいろ教えていただいた永田宏和さんです。

永田さんが大切にされている「土と水と風」のお話は2年前に公民館職員向けに行った「ユニークなプログラム作り」講座でもお話していただきました。ブログで詳しく紹介しているのでまずは読んでみて下さいね。
KIITOの取り組みは本当に沖縄でもやったらいいのに!あったらいいのに!と思えるものばかり。
小3から中3までの子どもたちが、専門家から直接学んでお仕事体験が出来る「ちびっこうべ」は、2年に1度、4日間だけ開催されるそうです。驚くべき事は大人は入場出来ないってこと!子どもからしてみたらほんとに夢のまちですね。
他には、50歳以上の男性がパン職人からパン作りを学ぶプロジェクト「パンじい」や、「ピザ窯」を使って公園をみんなの場所にするプロジェクトなど、どれもこれも楽しそう!
これらは永田さんがご自身のお子さんや親御さんのことを考えて開発したと伺って納得しました!

最後はお待ちかね、パネルディスカッションです。

パーラー公民館の取り組みにおける二つの軸とは、「公民館がない地域に、公民館的な機能をもっていったらどういう風に地域コミュニティーにアクセスすることが出来るのか、またその機能ははたせるかどうか取り組む」そして、「その取り組みをうけて、公民館の中にいる人はどんなことができるのか」だと、若狭公民館・宮城館長よりお話がありました。
公民館がよりクリエイティブに楽しく、いろんなことが出来るようになるのではないか、その可能性も感じて取り組んでいるパーラー公民館についての想いを共有してパネルディスカッションはスタート!

会場の皆さんから意見を伺おうとすると、まず藤さんからたくさんのご意見が!
「パーラー公民館という名前すごい!」「ZINE KIOSKはすごい大発明」「知財想像教育だ!」等たくさんほめていただきました。

上原美智子さんからは多大なる感謝をのべていただきました。「これで終わりにしたくない」という言葉が重く響いて涙がでそうでした。
永田さんから、上原さんのお話に出てきたムラヤーで行われていた活動を地域活動として実験してみる案、出野さんの現代版・井戸端会議をつくるお話、藤さんの縁側やのれんの内側の活用についてなど、アイデア満載のパネルディスカッションでした。
公民館や場づくりに役立つたくさんのヒントをいただきました!トークの全貌を、別途お知らせ出来るように準備中ですのでもうしばらくお待ちください。

最後に主体的に動いてくれる人を巻き込んでいくにはどうしたらよいか?という質問がありました。「リーダーは、芯はあるけどたよりないほうがいい」というお話に、「はい!僕、自信があります!」と元気いっぱい手をあげた宮城館長でした。

4時間弱の長い時間でしたがあっという間でしたね。
ご参加・ご協力いただいた皆さん、演奏していただいた鶴見部屋の皆さん、調査・検証していただいた大澤さん、登壇いただいた藤さん、永田さん、出野さん、山里さん、本当にありがとうございました。

皆さまよりたくさんのアイデアと励ましをいただきました。
今回まかれた種がどのように広がっていくのかとても楽しみです!

企画・主催:NPO法人地域サポートわかさ
設計・監修:小山田徹/制作:High Times うえのいだ
支援:沖縄県、公益財団法人沖縄県文化振興会

「平成30年度沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業」