繁多川公民館『車いすダンスサークルウィ—ルの会』

車いすでの社交ダンスを通して、車いす利用者や高齢者との親睦と交流をおこなっています。リハビリにもなりますが、なによりも生きがいを高めることになります。繁多川公民館のユニバーサルデザインを活かしたサークルです。

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公民館名 繁多川公民館
サークル名 車いすダンスサークルウィ—ルの会
代表者名 久保志津子(くぼしずこ)
活動人員 15名
設立年月日 平成10年4月
活動日・時間 土・19:00〜21:00

サークルの活動内容を教えてください。

<車いすダンスで、喜びを伝えたい)>
平成10年4月に立ち上げ、今年で17年になります。
私たちの車いすダンスは世界に登録された団体になります。世界車いすダンス連盟という組織もあります。
車いすダンスは生まれつきに障害を持った人というよりも、人生の途中で事故などにあい、後天的に障害をもった人たちが選手になる場合多いです。
現在は15名のメンバーで活動をしていますが、障がい者のかたは少ないです。障がい者でなくても、足が痛いとかいう方も車イスで負担を少なくしてダンスができますよとお誘いしてやっています。全自動の車いすのかたに指導することもあります。社交ダンスの形にならなくてもいいんです。ちょっと踊るだけでもいいんですよ。みなさま非常に喜んでくださいます。
力をいれているのは養護園です。ほとんど重度の障がい者です。養護園などの学校で週1。
寝たきりのかたもいらっしゃいます。体育の先生にお教えして障がい者と組ませておどっていただく。
「ウィール」とは車いすの「車輪」のことです。運営費がきびしいので、無料で借りられる所で活動をしています。浦添のサンアピリティアというところで火曜日の夜7:00〜9:00の活動をしています。いまはきびしい時代ですので、寄付もないので、年に1回ダンスパーティーを開いて資金造成をしています。

サークルの魅力は?

<shall we dance?ダンスはよりよいリハビリに>
社交ダンスがメインの団体ですから、社交ダンスをベースにしてダンスを組んでいきます。
姿勢から直していくことからはじめますので、すごいリハビリになります。なるだけ早めに参加したほうが、効果があると思います。
事故後のリハビリは早めにはじめたほうがいいといわれます。車いすのダンスもおなじように早めに始めるほうがいいんです。体の姿勢を直すことができますし、体躯、体幹を鍛えます。普段使わない筋肉を使うので、いいとおもいます。体が曲がっている人も、不思議と伸びす。「リハビリしよう」というよりも、「ダンスをしよう」のほうが、気持ち的にもいいと思います。

サークルの雰囲気をお教え下さい

<ボランティア精神に感謝の日々>
車いすダンスを習いたいといってサークル参加希望するかたは、やはり障がい者に関係のある人が多いです。なんらかの関係のある人が感心があるのだと思います。参加することもボランティアの精神がないとできないです。お金もうけではないです。ですから参加者には感謝しています。参加するみなさまは仕事をもって忙しいですから、活動も土曜日の夜にもうけています。

サークルの参加メンバーはどのような年代が多いですか

メンバー20名くらいの中の5〜6名が身障者で、あとは健常者になります。中高年の人が多く参加しています。

サークル参加メンバーの地域はどちらですか(公民館付近か)

繁多川地域、新都心、浦添と、近郊からきています。障がいがありますから、こちらに通ってくるのも大変なんですよ。特殊な車で移動してくることになります。練習に来るもの大変。以前は車を手配してやっていましたが、参加者の年齢のこともあり、疲れてしまって、今はやめてしまった。
現在離島に支部もあります石垣島の車いすのかたは10名くらいいます。よ。宮古は施設がないので支部がつくれなかったんです。
八重山からもダンスパーティーに年に1回はきています。島を超えた交流がうまれています。そのパーティーには東京からも友人等が参加してくれます。

メンバーとはサークル外での交流もありますか?

年に1回のダンスパーティーがありますが、そのときに踊ってみせますし、自分たちの主催するダンスパーティーもあります。
2016年は2/28浦添の社会福祉協議会3階ホールで発表会もあります。手も足も動かない人が、全自動の車いすの方と先生が一緒に踊ります。大変にすばらしいです。ぜひみてほしいです。
ダンスの先生方の発表会のときに、出演してほしいと依頼がある場合もあります。

今後の活動について

<車いすダンスの広報活動に全力>
最初のころは興味本位で20名くらい来ていただいたんですが、全日本選手権大会に沖縄からも代表を出したこともありました。世界選手権大会は大変にすばらしいものです。世界選手権には全日本で優勝しないといけないのでレベルが高いです。全国大会で勝たないとでられません。それを目標にしたいです。私はずっとダンスと関わってきたこともあり、ダンス界に貢献したい。お年をめしたかたでもできるのが車いすダンスですから。この車いすダンスがあるということをアピールしていきたいです。

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取材者名 久保志津子
活動歴  17年

サークルに参加したきっかけをお教えください

<社交ダンス講師の経験を活かして>
私はもともと20代で社交ダンスの資格を取得しました。その後30年程やっていましたが、いろいろな事情で一度身を退きました。60歳で定年したときに、東京の先生から電話がかかってきて、この車イスダンスを紹介されました。車いすでどうやって踊るんだろうと疑問が湧きました。
東京で数ヶ月かけて車いすの講義をうけて、車いすの社交ダンスの資格をとりました。5級からスタートして1級まで取得しています。ダンス講師の経験があったからできたと思います。沖縄支部を立ち上げて現在にいたっています。

サークルを続けている理由/たのしいところをお教えください

<障がい者の視点から多くを学ぶ>
障がい者と関わると、いろいろ見えない物が見えてきます。教えているつもりが、障がい者から教えられること、見習うことも多いです。そしてなによりも笑顔が素晴らしい。
ボランティアの人たちを大事にしながら、この会を継続していけたらと思います。

サークルでの目標やモットーにしていること

<世界大会に選手を派遣することが夢>
立ち上げたときから目標はあります。世界選手権大会に人を出したいと思っていたんです。
沖縄では社交ダンスはまだ浸透していないと思うんですよ。
課題は車いすの障がい者が集まらないこと。メンバーが集ってこないんですよ。やりたいことがあって助成金の申請をしても、団体が小さすぎて予算もまわってこないという悩みもあります。車いすバスケットは100名くらいメンバーがいるんです。バスケやマラソンとかの人にもダンスの魅力を伝えようと声かけしていますが、残念なことにダンスというと引いてしまうんです。車いすのダンスがあるということをもっと発信して、ピーアールしないといけないと感じています。広報関係にも力をいれようとおもいます。
私は80代ですから、ちから不足があるのかもしれない。。。。障がい者のことに貢献したいけど、できていないのが実情です。

公民館を利用して便利な所

<繁多川公民館はナンバー1>
繁多川公民館は、館長をはじめスタッフの対応がいいです。話しの通じる公民館ですね。これまでは、同じことを2〜3人のちがうスタッフに2〜3回話して、やっと問い合わせの内容が伝わるということがありました。それが繁多川公民館にはないです。内部でミーティングとかしているのでしょうか?館長の教育だと思います。立派ですよ。このことは他の公民館のみんなに伝えたいことです。

公民館を利用して改善してほしいところ。ここを良くしたらいいのにと思うところ。

繁多川公民館に改善してほしいと思うところははないです。ほかの公民館にはあります。申込等の際に電話でおなじことを何度も話させるのはやめてほしい。
繁多川公民館については、駐車場があれば、車いすの障がい者ももっと来易くなるかなと思うことはあります。

取材日:2015 年12 月19 日担当:鳥越一枝